目次
Summary
メインPC(#17 Newport)を構築したのが7年半前。
CPUは2019年末に、RAMは+64GB増量、VGAは2020年初にRTX2060Superに換装して凌いで来たが、さすがにチップセットが、USB Type-C、2.5GbEの普及といった標準規格の変化に追随できていない感が高まり、更新を考える時期に来た。
そこで、今回はなるべく省エネ、省スペース、コスパの良さとそこそこのゲーミング性能で組んでみた。
今回のポイントは、
- Mini-ITXに挑戦!小ささ重視。重厚長大フルタワーの時代は終わった。これからは省スペースと性能、省エネの均衡を追求する時代
- VGAサイズに厳しい制約が発生 (VGA<297mm) 。また電源サイズ/出力にも制約
- 当初は5.25inchドライブ(DVD-R)が内蔵できるケースを探した
- しかしいいケースが見つからなかったこと、そもそもDVD-Rの使用頻度が年数回程度まで激減していることを考慮し、外付けドライブとすることで、5.25inchベイを捨てる決断
- ケースについては防塵性能の無いものが多かったが、利用時間が長いほどホコリが溜まりやすいので、お手入れしやすい防塵フィルターが完備されているものを選択
- 具体的には、Fractal DesignのEra-ITX (VGA<297mm) を選択した一方で、防塵皆無なTerra と Ridge PCIe 4.0 (VGA<335mm)を断念
- SSD/HDD搭載数も限られるが、SSDはm.2搭載することで十分過ぎる結果に
- 3.25inch HDDは1基搭載できるので悩んだ。だが、電源消費・発熱・エアフロー阻害の観点から、3.25inchマウントを外すことに決定
- SSD(m.2) 2TB x2基と SSD(SATA) 1TB x1基でローカルドライブは足りる
- それ以外は必要に応じて、NAS+USB外付けHDDタワーでOK
- 一方で、最も懸念となったのが排熱処理(エアフロー)
- CPU/VGAはそれなりにハイスペックでワット消費もある一方、狭いMini-ITXでは排熱処理を考慮する必要
- CPUは水冷ラジエーターを導入することで解決
- ケース内も可能な限り不要な拡張マウントなどを外し、ケーブルも整理することでエアフローを改善させ、排熱効率を向上させる。この観点から常時必要ないHDDも搭載せず
Spec
- CPU
- M/B
- Gigabyte B760I AORUS PRO DDR4 [Rev.1.0]
- 33,800円 @tsukumo
- Intel B760, Mini ITX, LGA1700, DDR4 5,333MHz, 2.5GbE, WiFi6E+BT5.3
- S/PDIFついてるのこれだけだった
- WiFi / Blutooth はここ5年でラップトップでも必須機能に
- WiFiは電波状況の確認、WEP解析練習にも活用
- BTは、Pixel Buds Proでスマホとマルチポイント接続し、オンライン会議に使う
- アンテナが変な延長コード付きのザク隊長機の角みたいな形状なのは減点
- Gigabyte B760I AORUS PRO DDR4 [Rev.1.0]
- RAM
- crusial CT32G4DFD832A [DDR4 PC4-25600 32GB] x2セット (64GBセット)
- 16,470円 (2セットで) @ark-pc
- DDR4 PC4-25600, DIMM, 32GB x2セット
- 駆動周波数はあまりパフォーマンスに影響しないが、「量」は影響するので64GBに
- crusial CT32G4DFD832A [DDR4 PC4-25600 32GB] x2セット (64GBセット)
- VGA
- ZOTAC GAMING GeForce RTX 4070 Twin Edge OC ZT-D40700H-10
- 90,889円 @Amazon
- GeForce RTX 4070, PCI Express 4.0, GDDR6 12GB, 200W, 226x123x40mm, 192-bit, 2連ファン, 推奨電源650W
- RTX 40XX系の最下位モデル。ケースが最長295mmデュアルスロットVGAまで、電源650Wまでの制約下でのぎりぎりの選択
- 3連ファンのGeForce RTX 4070 VENTUS 3X 12G OCだと、308mmになりアウト
- RTX 40XX系の最下位モデル。ケースが最長295mmデュアルスロットVGAまで、電源650Wまでの制約下でのぎりぎりの選択
- [ HWBench / techup ]
- ZOTAC GAMING GeForce RTX 4070 Twin Edge OC ZT-D40700H-10
- Case
- Fractal Design Era ITX FD-CA-ERA-ITX
- 15,327円 @Amazon
- Mini-ITX , GPU<295mm 2slots, SFX-L/SFX<200mm, 325x166x310mm 16L, 2.5inch x2
- GPU<295x125x47mm
- [ Review ]
- 今回の最大のこだわり or 制約となったMini-ITXケース
Fractal Design Terra- 37,400円
- Mini-ITX, GPU<332mm 3lots, SFX-L/SFX<130mm, 343x153x218mm 10.4L, 2.5inch x2
Fractal Desgin Ridge PCIe 4.0- 26,400円
- Mini-ITX, GPU<335mm 3slots, SFX-L/SFX<130mm, 374x110x395mm , 2.5inch x4
- Fractal Design Era ITX FD-CA-ERA-ITX
- Cooler
- Celsius S24 FD-WCU-CELSIUS-S24-BK
- 17,536円 @Amazon
- CPU/GPUが空冷だと80℃になるが、水冷だと60℃で安定するというレビューを見て購入
- クーラー付属のマウント用バックプレート(M/B背面から六角両雄ねじスペーサーで固定するやつ)が、ネジを締めてもM/Bとバックプレートの間に3mm程度の隙間は空いてしまった
- バックパネルがグラグラ動きそうだったで、スペーサーを噛ませようと思ったが、金属製だとM/Bに金属部分が直接触れるのはちょっと怖かった。そこで、M/Bとねじの間に、Fractal DesignのHDD用の防振ゴムスペーサーを4箇所のねじに挟んで解決
- Celsius S24 FD-WCU-CELSIUS-S24-BK
- Power
- Fractal Design ION SFX 650G FD-PSU-ION-SFX-650G-BK
- 16,018円 @Amazon
- SFX-L, ATX12V, 650W, 80PLUS: Gold, 125x125x63.5mm
- 本当は800Wくらいあったほうが安心だが、ケースに対応してるのはこれ
- Fractal Design ION SFX 650G FD-PSU-ION-SFX-650G-BK
- SSD
- Lexar NM790 LNM790X002T-RNNNG x2枚
- 11,980円 @FAST-Online x2枚
- 2TB x2枚, m.2 type 2280, NVMe, PCIe 4.0×4, 1,500TBW
- Lexar NM790 LNM790X002T-RNNNG x2枚
- BD(外付け)
- Logitech LBD-LPUEWU3SBK
- 10,906円 @Logitecg Direct
- USB3.2 Gen1, バスパワー対応, BD-R 6倍 Write, Cache 2MB
- 5.25inchドライブは常設しない時代と聞き外付けに。代わりにケースはコンパクトに
- Logitech LBD-LPUEWU3SBK
- OS
- Microsoft Windows 11 Pro 正規日本語版 Professional プロダクトキーCOAシール
- 1,950円 @ヤフオク
- Microsoft Windows 11 Pro 正規日本語版 Professional プロダクトキーCOAシール
- 熱伝導グリス
- TF9 1.5g, 14W/mK
- 759円 @Amazon
- 粘性がなく広がらず塗るのに非常に難儀した
- TF9 1.5g, 14W/mK
Airflow
- フロントのSFL-X電源、ボトムのVGAは設置向き固定で選択肢無し(吸気方向のみ)
- なお電源は底面吸気、上方排気の設計
- 水冷CPUクーラー用の240mmラジエータはトップ位置固定
- 非常に悩んだのは、ラジエータ空冷用のファンx2の吸気(外気で下げる) or 排気(ケース外へ押し出す)の方向
- 色々と調べた結果わかったこと
- 結果
- 水冷ラジエータの威力は絶大で、狭い窒息Mini-ITXケースながら、従来のフルタワーよりも温度は低く良好なエアフローを実現できているのでは。下記のOCCTベンチ結果参照


Benchmark
OCCTで計測(80℃以下目標)
#19 Roppongi (Newly built)



#17 Newport (Previous)



SSD
- Lexar NM790 LNM790X002T-RNNNG
- 通常時で51℃、ベンチマークで負荷かけて62℃


Cost review
- 総コスト256,388円(税込)
- VGA 90,889円(35%)
- 品薄&マイニングバブルで市場価格がここ3年で2-3倍に沸騰したせい
- コスパより4K性能を追求し、RTX4070を選択した結果
- Mini-ITXだと気軽にパーツ交換しにくいこともあり、ちょっといいパーツ選択しがち
- M/B 33,800円(13%)
- Intel B760 は品揃え少ない x Mini ITXマザーはATXマザーより1万くらい高い印象
- CPU 28,773円(11%)
- Intel Core i5 13400F
- SSD x2枚 23,960円(10%)
- 2TB, m.2 type 2280, NVMe
- 限られた3.5inch搭載スペースを補完するため、オンボードの m.2 typeを2個ともフル搭載
- M/B自体の取り外し必須のため気軽に追加搭載できず、組む時点で入れ込む必要があった
- 水冷CPU Cooler 17,536円(9%)
- Mini-ITXの狭小さゆえの排熱性能の低さを補完し、ハイスペックと両立させるための装備
- VGA 90,889円(35%)
- 総評
- Mini-ITXならではのサイズ制約・拡張性の低さを補完するため、初期構築段階で5年後までの運用を見据えたパーツ選択が必要となったため、高コスト化し、物理サイズとコストが反比例しがち(ラップトップvs.デスクトップに類似)
- M/Bやケースのラインナップも多くないため、値崩れしていないパーツが多い
- ATXで組んだ場合は、もう7万くらいコストダウンできたかもしれないが、小ささには満足
Closing
- #17 Newportは、第一線より下番に伴い、搭載パーツはそのままで、ケースをFractal Design/Define R2 Black Pearl → COOLER MASTER/MasterBox Q500Lにコンパクト化させることに
- 232x559x560mm, 70.2L, 16.4kg → 230x381x386mm, 33.8L, 4.81kg へサイズダウン