※下記はすべてフィクションです
【迫真!そのとき長谷川は・・・(山崎重工)】
木曜午前11時。
議長(長谷川社長)「それでは以上をもって本取締役会の議案を終了しま・・・」
村山常務 「「緊急動議!長谷川代表取締役社長の解職を提案します」
「特別利害関係人として、長谷川社長は議決に参加できません」
・・・・・・
特別利害関係人で参加できないまま自分の解職が決議され、自分と目を合わさぬようにそそくさと退席する役員陣を見送り、呆然と佇む長谷川(前社長)。
村山新社長(前常務)「長谷川さん、もう終わったんですよ」。
力なく座り込む長谷川元社長がうわごとのように呟く「なぜだ…」
その臨時取締役会は、事務局により「招集通知の微細な修正」というダミーの議題で招集された。
「なんだよ。誤字? しょうがねぇなぁ…」などと言いながら、何も知らずに役員会議室へ向かった長谷川を待ち受けていたのは、村山常務により用意周到に準備された解職決議であった。
一瞬の出来事に、茫然自若とした長谷川であったが、時間が経つにつれ、はらわたが煮えくり返るような怒りが込み上げてくる。
会社法の規定により、取締役では「代表」取締役の地位の”解職”はできるが、株主総会でなければ「取締役」の”解任”はできない。残された時間を有効に使って、迅速に村山たちを出し抜く必要がある。
長谷川「髙尾、廣畑、お前らは俺と長年運命を共にしてきた女房のような存在だ。俺が退任するのはいいが、お前らまで道連れにするのは絶対に許さん。」
長谷川「社内の法務部員は信用できん。廣畑、お前は土井先生(注:社外監査役、長谷川とは長年のゴルフ仲間)を通じて、外部の腕利き弁護士を紹介してもらえ。できれば四大事務所がいい。決議無効の線で探るんだ」
長谷川「「髙尾、お前はTOBの準備だ。大橋会長が事前に内諾していたとなると、さしずめ三井造船との統合阻止にはみずほCがかんでいたとみるべきだ。すぐにリテインできる独立系のFAとPEファンドを探せ。51%の株式を、プレミアムをのせてTOBできる資金調達力のあるファンドが必要だ。サンドリンガムにような素性の怪しいところはだめだぞ。俺は今から先代とJFE林田さんと日生・筒井さんに話を通してくる。大株主をおさえる」
<一時間後・・・・>
髙尾「長谷川社長!さっそくGSの餅田というものから、TOBに関わるご提案に伺いたいとの電話が・・・」
(続く・・・)