Summary

スキーム詳細

  • 野村證券に証券担保ローンを提供している野村信託では、国内上場株式以外に、国内債券・国内投信・外国株式・外国債券も設定できる
    • 国内社債では、ソフトバンクグループ劣後債や無担保社債も担保設定が可能。その場合の掛目は60%
  • 国内社債を担保に、国内社債を購入し、入庫後に担保差入れを行うと、2階建て以上のレバレッジを効かせることができる
    • レバレッジ効果により、4階建てでは、3.785%→6.2958%までリターンブースト

調達金利

  • 2025/3/3現在の証券担保ローン金利は、年利1.95% (2025/2/20 updated)
    • 過去の金利推移
      • 年利2.675% ~2012/7/16
        • 野村信託の短期プライムレート+1.2%
        • [T147.5 + 120bps]
      • 年利2.975% 2012/7/17~2017/1/31 (press)
        • 野村信託の短期プライムレート+1.5%
        • [T147.5 + 150bps]
      • 年利1.50% 2017/2/1~2024/8/31 (press)
        • [T147.5bps + 2.5bps]
      • 年利1.65% 2024/9/1~ (press/短プラ)
        • [T162.5bps +2.5bps]
      • 年利1.90% 2025/3/3~ (press/短プラ)
        • [T187.5bps +2.5bps]
    • 短プラの動向に注意

制約条件

  • 証券担保ローン上限は5億円まで(2025/1/1改定)
    • 野村信託の1日あたり振込限度額は1億円なので注意
  • 6ヶ月毎の契約自動更新
  • 変動金利(適用金利は)
    • 365日日割計算
    • 利息は契約更新日に元本組入(元加)
  • 担保掛け目
    • 国債80%
    • 国内社債60%
    • 国内公募投信60%
    • 内外上場株式及びETF50%
  • 保証不要
  • 返済手数料無し

バックデータでの試算

  • 第6回ソフトバンクグループ劣後債(税前4.75%/税後3.785%)の例
    • 保有額面 100,000,000円(1億円)
      • 年間利金収入 3,785,000円(378.5百万円)
    • 4階建て(額面2.176億円)までできると、利回りは6.2958%(628.58百万円)まで増加
      • ただし現実には運用証券は都度の新発債に限られる
        • 個人では既発債のBid/Askスプレッドは高すぎて、新発債でないと難しいため
レバレッジ保有債券額面
[a]
年間利金収入
(税後3.785%)
[b]
年間支払金利
(ローン1.65%)
[c]
累積収支
(1~4階)
Σ([b]+[c])
累積利回り
Σ([b]+[c])
/100,000,000
ポート利回り
Σ([b]+[c])/Σ[a]
1階 (無し)100,000,0003,785,00003,785,0003.7850%3.7850%
2階 (60%)60,000,000 2,271,000▲990,0005,066,0005.0660%3.1663%
3階 (60%)36,000,0001,362,600▲594,0005,834,6005.8346%2.9768%
4階 (60%)21,600,000817,560▲356,4006,295,7606.2958%2.8933%
累積217,600,0008,236,160▲1,940,4006,295,7606.2958%2.8933%
  • 説明
    • 元本1億円で税後3.785%の債券を4階建てで買った場合の利回りシミュレーション例
    • 債券額面の60%まで金利1.65%で借金できるので、4回繰り返すと、元本1億円で、2.176億円まで社債を購入でき、借入金利を差し引いたあとで、629.576万円(年利6.2958%)のポートフォリオが構築できる
      • 表面的には、額面2.176億円で、金利収入629.576万円なので、2.89363%の利回りとなるが、実際の元本は1億円しかないので、レバレッジ効果により、3.785%→6.2958%までリターンがブーストできる
    • 実際には新発債を4階建てで購入するのは難しいので、時期をズラしてポート構築していくことになる(新発債買って→担保に差し入れて→次の新発債買って→∞)
      • 資金決済のスケジュールは下記項目を参照

想定されるリスク

  • ベース金利の上昇リスク
    • 短期プライムレートの急激な上昇に伴う調達金利の高騰による逆ざや
      • 短プラ急騰時には、債券価格も暴落することが予想されるため、ポジション解消のための売却により元本割れが生じることが想定される
      • 上記を軽減するためには、ラダー型のポートフォリオを構築して、デュレーションコントロール(金利及び償還期限)を行うべき
  • 信用リスク
    • 個人向けの高利回り円債は、ソフトバンクグループなど一部の発行体に偏るため、特定銘柄のクレジットリスクを集中的に保有することになりがち
  • レンダーリスク
    • 1社(野村信託)の提供する証券担保ローンを活用することを前提としているため、同社のローン制度の上限・適用金利の算出方法・担保適格銘柄・掛け目の改定によっては、レバレッジド・ポートフォリオを維持できなくなる恐れ

スケジュール

  • 第64回ソフトバンクグループ株式会社無担保社債(新発債)の例
DateEvent
2024/11/15 0930【EDINET】訂正発行登録書(仮条件 年利[2.85-3.45]%)
2024/11/26 0900現金:【野村信託】証券担保融資(16時まで借入申込で即日融資)
2024/11/26 0911現金:【野村信託】→【野村証券】→【住信SBI】資金移動(振込手数料)
2024/11/27 0932【EDINET】発行登録追補書類(条件決定 年利3.15%)
2024/11/27現金:【住信SBI】普通預金口座→ハイブリッド預金口座【SBI証券】(口座振替)
2024/11/28 1000現金:【SBI証券】申込日/約定日(資金拘束)
2024/12/11現金/社債:【SBI証券】受渡日(資金引落)
2024/12/11社債:【SBI証券】特定口座内保管証券移管依頼日(社債等振替制度による一般債)
2024/12/19社債:【SBI証券】→【野村證券】特定口座移管完了日
2025/1/6社債:【野村信託】担保適格社債に追加
2025/1/7社債:【野村信託】証券担保に差入れ(与信枠増加)
  • 解説
    • 野村信託の融資を、野村證券経由で住信SBIへ出金し、SBI証券で社債を購入
    • SBI証券で購入した社債は、口座移管で、野村證券へ入庫
    • 野村證券へ入庫された社債を、野村信託に担保差入れ
      • 以上で1階建てを構築できるが、口座移管に1週間、新発債の担保適格指定に(タイミングによるが)1ヶ月弱かかる(2024/12/11受渡日→2025/1/7与信枠増加)
      • 国内証券は、営業日19時までの担保設定で、翌営業日に極度額に反映される(19時以降or休業日の場合は、翌々営業日に反映)
  • その他
    • 証券担保ローンの情報は、全銀協個人信用情報センターに下記の要領で登録される
      • 情報登録会員: 野村信託銀行 審査部
      • 取引種類等: カードローン 消費性
      • 担保有無: あり
      • 使途区分: その他
      • 限度額/当初貸出額: ●千円(与信上限金額)
      • 残債額: ●千円(残債額)
    • 記載内容としては住宅ローンに類似(証書貸付ではないが)

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