本日、帰りの電車内で下巻読了。
今月初旬に、同期の家にお邪魔した時に、駅のブックオフでなんとなく購入した二冊。
新卒以来、ほぼ株式ばっかりいぢってきた僕は、債券市場には疎く、国債市場とか、
10年国債あるいは20年国債のスポットを企業価値算定の時の、Risk Free Rateに流用したり、
生保のEV計算時に、スワップのフォワードレート算出したり、あとは、政策金利決定会合の前後に、
先物の織り込み具合をみたり、TOPIXの配当利回りとJGBの利回りを比べて、
計量的なCTAがよく好むとか言われた、株式/債券先物の裁定機会を様子見るくらいしか
関わりあいが無いので、債券市場と聞いてもイメージがわかない。
ということで、本書をなんとなく買って読んだ。
上巻は、JGBのトレーディング・フロアの喧騒が伝わってくるような感じで、面白かった。
なるほど、JGBのトレーダーは需給を気にしてるんだなーなんて。
下巻は、市場よりもサスペンスのストーリーの解説が濃かった。
ストーリー自体は、あまり練られておらず、そこまで興味なかった。
登場人物の心境より、もっと市場について書いて欲しかったなぁ。
えっ?それじゃ小説じゃなくて実用書だって?
ひとつ面白かったのは、本書に登場したBlogが実在していて、
僕も含め市場関係者がちょくちょく見ているHPだったこと。これはリアル感倍増!
ただ著者は本当にディーラーだったのかな?
なんとなく僕から見ると、知識が微妙に古いのか、ちょっとプレーン過ぎる気がする。
金融サスペンス系のストーリー構成力やスキームの話は、黒木亮の方が圧倒的に上手だと思った。
まぁ真面目に読んじゃいけないね、エンターテインメントだ。
<幸田真音>
本名・澤登久子。1951年、滋賀県八日市市に生まれる。京都女子大学卒業後、
コンチネンタル・イリノイ・ナショナル銀行、AMF、バンカース・トラスト銀行、B・T・アジア証券を経て、
1990年、アペックス・コーポレーションを設立。現在、同社代表取締役。 幸田真音HP