先日参加した、某記者主催の勉強会で興味深い見解があったのでメモ。
①原子炉廃棄について
脱原発へと舵を切りつつある本邦エネルギー政策に関連して、東芝・日立・三菱重工など原発メーカーの将来を悲観する声もあるが、必ずしも後ろ向きなこととも限らず、視点を変えてみれば、原子炉解体ビジネスは新たなる商機、との話。
原子炉解体には、原子炉建造よりも高度な技術が求められるが、今回、国を挙げてこれに取り組み安全に解体するためのノウハウを確立しようとしており、少なくとも国内で4基の解体が見込まれている。
国内原発メーカーが4基解体の実績を積み、原子炉解体技術を会得すれば大きなアドバンテージに。
世界的にも、耐用年数を過ぎ老朽化する原子炉が出て来ており、フクシマを受けて脱原発の趨勢が高まる中で、上記の国内原子炉3メーカーは、「建造、メンテから解体まで」をトータルで提供できるメーカーとして、強みを有すこととなる可能性。
但し、放射性廃棄物の処分については別で、深地層処分が有力な中(参考エントリー:瑞浪超深地層研、瑞浪その2)、他国の放射性廃棄物を引き受けて、国土に埋めちゃっていいかについては国民的同意が無いとできない・・・というかまず無理なので、こちらについては民間企業では無理。
②中国の軍備増大について
中国が軍備を増強し、米国と太平洋を境にして、かつての旧ロシアのように、軍事的に拮抗する可能性について。
こちらに関しては、エコノミストから、政権の軍事費への出費が増えることは、経済にとってはマイナスであり、むしろ長期的には同国の債務が増えて、財政が悪化するだけ、との見解があった。
昨年末に騒がれた米国財政デフォルト問題についても、原因として、イラク戦争・アフガニスタン戦争に関して投入された莫大な戦費の存在がある。エコノミストいわく、
戦費は経済的なリターンの無い出費との指摘。
なお、これに関して個人的には、軍事技術開発にも重点的に予算が投入されれば、航空・物理・情報技術分野等において技術革新が促進される可能性もあるのではないかと思料。ボーイングのような民間への技術転用可能な産業もあるのではないか。
しかし北朝鮮や旧ロシアの財政破たんなどを見るに、大規模な軍備維持のためのメンテナンスコストは国家財政に取って大きな足かせとなるという点には同意。