実質的ディフィーザンス解消のお知らせ
第8回国内債300億円を、社債債務として再認識。
http://www.takefuji.co.jp/corp/irnw/detail/080303.html
仕組み金融取引の解消に伴って損失発生、下方修正が不可避に
武富士が今2008年3月期に大型損失発生が避けられなくなったのは、既発行社債のバランスアウトを目的とした実質的ディフィーザンス投資(債務履行引き受け契約)の解消が理由だ。
武富士は2007年5月、メリルリンチをアレンジャーとする仕組み金融取引を行った。投資元本は社債発行額に見合う300億円だった。信託設定のうえで実施された投資が安定的な資産に振り向けられていれば、今回のような事態には発展しなかったはずだが、実際には、レバレッジの高いクレジットインデックス(CPDO)に投資された。そこに重なったのがサブプライム問題に端を発したハイレバレッジ市場の混乱だった。結局、同取引の時価は下がって、「元本額の10%以下」という取引解消の財務制限条項に抵触するまで暴落した。
メリルは取引解消のトリガーを引くことを決定したため、武富士には元本がほとんど失われた資産が償還される事態となったわけだ。武富士は3月3日、「最大で300億円」の損失が発生する可能性を適時提示している。その可能性はかなり高いといえそうだ。損失が確定すれば、今2008年3月期に特別損失として計上される。が、損失自体は構造的なものではなく一時的なものであり、武富士の収益力を脅かすという性質のものではない。
(東洋経済)
ゴルディアン・ノット、旗艦ファンドの生き残り目指す-SIV先駆者
4月8日:ストラクチャード・インベストメント・ビークル(SIV)市場の先駆者でゴルディアン・ノットを創業したスティーブン・パートリッジヒックス(50)、ニコラス・ソッシディス(52)両氏は、旗艦ファンドの生き残りに向け戦っている。
最大級の銀行でさえ資金調達に苦しんでいるなかで、米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスによれば、ゴルディアンのシグマ・ファイナンスは9月までに債務200億ドル(約2兆500億円)を借り換える必要がある。
ムーディーズは先週、シグマの信用収縮を乗り切る能力に対する懸念から、400億ドル規模のシグマに対する格付けを「AAA」から5段階引き下げ「A2」とした。別の格付け会社、米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)も7日、シグマを「AAA」から「AA-」に格下げした。債務の借り換えができなければ、シグマは解散となる公算が大きい。
1988年に米シティグループで初のSIVを生み出した両氏はロンドンを拠点としている。SIVの主要な資金源であるコマーシャルペーパー(CP)の需要が干上がった後も、両氏は代替となる資金調達で市場の混乱から身をかわしてきた。だが、シグマが解散となれば、昨年7月に始まり、米証券大手ベアー・スターンズの事実上の破たんにつながった信用市場の凍結が、まだ終息に近い状況ではないことが示唆されることになる。
その上、米投資信託運用会社のフィデリティ・インベストメンツやフェデレーテッド・インベストメンツなどは、運用しているマネーマーケットファンド(MMF)がシグマに投資しており、こうしたMMFを支えることを余儀なくされる可能性も高い。
信用枠
資金データをまとめるクレーン・データのピーター・クレーン氏は、「シグマがMMFにとって現在、一番の懸念事項だ」と述べる。シグマは主に9カ月以内で償還となるCPを発行し、そこで得た資金をより長期の銀行社債や住宅ローン担保証券といった高利回り資産に投資するSIVとしては最大。 S&Pによれば、過去9カ月間でデフォルト(債務不履行)となったSIVの債務は、少なくとも総額310億ドル。ゴルディアン・ノットは3月19日、シグマが債務危機を乗り越えるための「十分」な信用枠を持っているとするコメントを発表。シグマのCP発行能力は「大きく落ち込んだ」ものの、レポ取引を通じ260億ドルを調達し、より短い期間のCPをほぼすべて償還したという。
パートリッジヒックス、ソッシディス両氏はコメントを控えている。
(ブルームバーグ)
原題:SIVs’ Last Men Standing Entangled by Gordian Knot’s $20 Billion