世は米国選挙。
しかし会社は上場来初の四半期赤字予想もあり、明日にでも大規模リストラを開始するのではないかという緊張感に包まれています。この喉の奥が乾くような、今にでもゆっくりと降りて来んとする舞台の肉厚な緞帳のような、じっとりと重苦しい圧迫感を感じずにはいられない雇用の不安定感が、堪らなく社員を駆り立てるのです。ある者は未だ告知も無いのに、これまでの華やかな生活は終わりだと絶望し、ある者は第二の人生プランの設計に想いを張り巡らし、ある者は自分には関係の無いことだと油断する、そんな修羅場の空気を吸っていると、重力が2.5倍になったかのようになぜだかやたらと疲れます。
ここは、未曾有の敵襲に怯え疲弊しながら終わりの見えぬ戦いを続ける資本主義の前線基地です。戦わずして生き残れず、戦ったからといって生き残れるとは限らない。自分の腕しか頼れない、そんなフィールドです。