2008年度の新卒採用の番組をやっていた。
少子化が進む中で、「売り手市場」が進み、楽な就職活動が広がっているようだ。
だが、そんな中にも、学歴や他社の内定を取得済みの強い学生が、 どんどん複数の内定を取得していく一方で、
取れない学生は苦戦を迫られ、まったく内定が取れずにもがき、苦しむ姿が描かれていた。

番組を見ていると、自分の就活の頃のことが思い出された。
今は無き埼玉の実家(賃貸中)から、新宿・丸ノ内・田町など、何社ものセミナーをはしごして少しでも会社のことを知るために走り回ったこと、
面接に備えて、より心に訴求し自の出せる回答を搾り出すため徹夜で考えたこと(恥ずかしいフレーズほど深夜にふと思い付く)、
英文履歴書を作るために試行錯誤したこと、
他の学生と少しでもメッセージに差が出せるよう、人事部に近い経営層のメッセージにヒントはないかと、アニュアルレポートを読み込んだこと。

自分は、11月に就活を初め、2月に内定が出て、しかも最初に内定を もらった時点で就活を辞めてしまったので、
より苦しい長期戦を戦った方と比べれば、比較にならないくらい甘い就活ではあったと思うが、それでも内定の瞬間はとても嬉しかった。

最近、会社や大学の同期を問わず、今勤めている会社を辞めてから転職活動をする知人が多い。
だが一般的には今は「売り手市場」と認識されているにも関わらず、
また当人たちは非常に優秀な学歴や高い能力(外国語、会計、金融、保険、マーケティング等) を有しているにも関わらず、
数ヶ月から半年以上、なかなか次の転職先が決まらないという現状を目の当たりにした。

この番組の最後で、なかなか内定を貰えずに苦しんでいた学生が、内々定の通知を電話で受ける。
そして、その学生は、感極まって涙してしまう。

「どこの会社の内定だとかいうことはどうでもいい。社会の一員として認められたということが嬉しくて・・・。」

その一言が、真に迫っていて、思わずもらい泣きしてしまった。

今、自分も仕事に不満を持つ瞬間もあり、雑務に身を費やし士気が下がる日もある。
しかしながら、この番組を見て、自分をどんな期待を込めて会社が採用したのか、
自分がどんな気持ちの今の会社を選んだのか、
入社初日、士気も高き自分の心にあった想いは何だったのかを省みて、現状の自分に鞭打つ気持ちになった。

苦労して入った会社ほど、苦境にあった自分を拾ってくれた会社にほど、強い忠誠心を感じるとすれば、
法科大学院に進学する腹積もり50%なのに、どれくらい自分が社会に通用するか試してみようかという甘い気持ちで就活し、
そして大した苦もなくポっと入ってしまった自分の、愛着心とか会社に対する執着心が相対的に薄っぺらいのはしょうがないのかもしれない。

しかしながら、今年入ってきた新入社員の今はまだ高い士気と、少しでも先輩に追いつこうと努力する姿を見ながら、
社会人四年目の自分の在り様、
フラットニングしつつあるラーニング・カーブを、スティープニングへと戻していかねばならないと思う、GW3日目だった。

【後記】
「会社が、あなたを新卒で採用するのは、将来の幹部候補になって貰いたいという気持ちを込めています。
外資では3年や5年でも長いかもしれない。それでも会社は、できることなら、あなたに何年でもいて欲しいと思っています。 」
そう、僕にいって内定を出したマネージャーは、昨年転職して他社のマネジャーとなっている。

新卒採用・・・広がる格差~ヤマ場を迎えた’09年就職戦線

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