ライブドア0.1株の処分代金が郵便為替で到着。
2006年の上場廃止より、はや2年。遠い昔のように感じられる。

ライブドアHD (4753) の上場廃止直前の最終株価は、94円。
裁判所の決定した、端株買取価格は、138円。

ということで、最終株価で購入していれば、
保有期間リターンでは、+47%となりました。(年率換算では+22%)

もうひとつ面白いのが、解散価値です。
PBR1倍というのは理論価格であって、実際の解散価格は、非流動資産の処分などに各種コスト(流動性コスト、取引手数料、税金など。)がかかるため、もっと少ないはず、というのが常識です。

ライブドアの例では、
上場廃止前の2005/12/31時点でのBPSは189円、
粉飾発覚後の2006/11/27時点でのBPSは144円、
でしたので、最終株価ベースでのPBRでは、粉飾で0.5倍、実質は1倍くらいだったということでしょうか。

判例を取り寄せて見ないと、裁判所の算出根拠がわからないので詳細はわかりませんが、
上場廃止懸念があっても、PBR1倍以下では、結論から言うと、ミス・プライシング(買いの機会)だったということですね。

ただし、土地建物や山林などの低流動性資産がより多く含まれていた場合は、流動性ディスカウントが大きくなったかもしれません。
加えて、裁判所の価格が決まり、払戻しが行われるまでの期間は、株式自体の流動性がなくなるというリスクもあります。
時間がかかればかかるほど、年換算のリターンは減ってしまいますので。

*上場廃止の、2006/4/14~2008/6/3を保有期間仮定。
*なお同社は上場廃止後、保振で扱えなくなり、株券発行費用がかさむ為、100対1の株式併合を決議していますが、ここでは決議前の株価を前提に書いています。

【参考事例】
グローバリー  289 → 588
西武鉄道    485 → 919
カネボウ    360 → 360
レックスHD   230,000 → 230,000

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【東証、ライブドア株式の上場廃止決定 】

東証は13日、ライブドアとライブドアマーケティングの株式を上場廃止することを決定した。両株式は3月14日から4月13日にかけて整理ポストに移管された後、上場廃止になる。

ライブドアとライブドアマーケティングの容疑について東証では「組織的に行なった点で上場会社としての適格性を強く疑わざるを得ない。投資者の証券市場に対する信頼を著しく毀損するものであると認められる」とコメントしている。

なお、ライブドアでは今回の告発について容疑内容を公開した。容疑は、2003年10月1日~2006年9月30日の連結会計年度に、本来であれば3億1,278万円の経常損失が発生していたにも関わらず、売上計上に認められないライブドア株式売却益37億6,699万円や、ロイヤル信販とキューズ・ネットに対する架空売上15億8,000万円を計上するなどして連結経常利益を50億3,421万円と虚偽の記載を行なったというもの。

ライブドアでは「このような事態を厳粛に受け止め、今後におきましては内部管理体制の一層の充実・強化をはかり、再発防止に全力で取り組んでまいります」とコメントしている。

http://www.tse.or.jp/news/200603/060313_a.html
【端株買取価格】
http://www.livedoor-holdings.co.jp/ir/2008/20080425_1.pdf

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