西行法師(偽者)が人造人間の作り方を記していました。

「西行於高野奥造人事」(西行高野の奥に於いて人を造る事)

野に出て、人も見ぬ所にて、死人の骨をとり集めて、頭より足手の骨をたがへで続け置きて、砒霜と云薬を骨に塗り、いちごとはこべとの葉を揉みあはせて後、藤もしは糸なんどにて骨をかかげて、水にてたびたび洗ひ侍りて頭とて髪の生ゆべき所にはさいかいの葉とむくげの葉を灰に焼きてつけ侍り。土のうへに畳をしきて、かの骨を伏せて、おもく風もすかぬやうにしたためて、二七日置いて後、その所に行きて、沈と香とを焚きて、反魂の秘術を行ひ侍り。

撰集抄』巻五第一五
西行と人造人間

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