日経BPにこのような記事が載っていた。
リクルートワークス研究所所長の大久保幸夫氏によるコラムだ。
自分には深く感じ入る内容だったので紹介しよう。
要旨は以下の通りだ。
【新入社員が仕事を覚えるまでに約3年はかかる。だが、だからといって最初の3年間を補助的な仕事だけで過ごさせてしまうと、その後の成長には大きなマイナスが出てくる。
初期3年というのは重要な段階で、この時期に仕事に向き合うスタンスが形成され、仕事上の知識や技術を習得する学習行動の方向が決まる。 すなわち、仕事の面白みや奥深さを実感できれば、真剣に仕事と向き合っていこうという気持ちが生まれる。反対に単にアシスタントとして楽な日々を過ごしてしまうと、仕事に向き合う真剣さが生まれず、日常的な学習もしないようになってしまう。 またこの段階で、成功体験を積ませないと、「自己効力感」が醸成されず、その後の成長へとつながらない。】
さて、外資においては先輩も上司も中途が多く、愛社精神は希薄である。すなわち「会社の為に何かをする」という観念は皆無であり、主に自らの効用を前提に仕事は為される傾向にある。
この点からは、ノウハウの継承や若手の育成といったことは積極的になされない。ビジネス・マネージャーやシニア・マネージメント層の人間は「下を育てる」ことを意識していると思われるが、実質的に育成の主力に立つVPやアソシの層は、自らの仕事を回すのに精一杯で余力に乏しい。
目下の育成よりも具体的な数字が評価される人事査定制度も、これを担保しない。
既に悶々とした3年を過ごしてしまった失敗作より。
記事へのリンクhttp://premium.nikkeibp.co.jp/itm/col/ookubo/006/